「萬古不易」変化の中にある不変 萬古焼 清水醉月

天地間のあらゆる事象はつねに変化してとどまることがない、すなわち変易である。しかし、その変化のなかにも、変わらない法則性がある。すなわち不易である。[安居香山]

萬古焼の名のルーツは、その創始者が万古不易という文字を作品に押したことに始まる。300年の歴史を持つ萬古焼は現在、土鍋などで大きなシェアを占める焼き物である。
その中で、約100年の歴史を誇る、酔月窯を守る清水酔月氏は、花器・食器など様々な作品を手がけており、その中でも、伝統的な急須を、ろくろによる製法で作ることを中心として活動している。紫泥(しで)と呼ばれる、釉薬を使わずに高温で焼かれた急須は、他の陶磁器とは違った独特の光沢を放つ。
萬古焼会館を訪れると、様々な製品が並んでいる。現代の用途に合わせた手頃なものも多種多様だ。
他の陶磁器と同様に萬古焼も、明治以降多くの苦境を乗り越えてきた。しかし清水酔月氏は、萬古焼の伝統を守りながら、新たな挑戦を続けている。「伝承するだけではなく、時代に受け入れられる魅力を作る」と語る清水酔月氏の作品は、酔月窯に掲げられた「万古不易」という言葉を形にしている。

[醉月]
日本工芸会正会員
伝統工芸士
四日市萬古焼 醉月陶苑 http://www.bankoyaki.jp/

略歴
昭和19年 四日市に生まれる
昭和51年 日本伝統工芸展初入選(以後入選26回)
平成 2年 天皇陛下献上(即位の礼)
平成11年 皇太子殿下献上
平成19年 四日市市産業功労者表彰
平成21年 台湾国立博物館収蔵
平成23年 日本橋三越本店 特選画廊個展
平成23年 四日市市文化功労者表彰

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